Crimson Hearts

□Retrace:X
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「なんですか。
ついてこないでください。」


「いや‥‥でも放っておけないし‥‥」


「放っておいてください。うざいです。」


「うざ‥‥!?」

大した言われようだ

先ほどまで一緒に話していたんだし、急に現れたと思えば刃を向けるような女の子をそのまま見過ごすのも出来ないことだ


‥‥にしても屋台の前を三人で疾走する姿は人々から好奇の視線を集めかなり恥ずかしい

これは私達の体力もいつまで保つかわからないし早く捕まえた方がいいな‥‥


「くっ‥‥」

「がんばれ、後もう少し‥‥!」

オズがスピードを徐々に上げ彼女の細い二の腕に向け腕をいっぱいに伸ばす



ガシッ


「待ってったら!!
あの子が一体どうしたっていう――‥のォ!!?


オズが腕を掴み此方に引き寄せると振り向き様に先刻より至近距離で再び刃を向けられた


オズは抵抗は無いと咄嗟に両手を上げる


「言ったはずです。
邪魔をするなら貴方を排除すると―――


‥‥‥‥その帽子は‥。」


エコーはオズが両手を上げた拍子にひらりと落とした黒い帽子に気を取られた

‥‥‥

ナイトレイに仕える従者?

ギルバートが養子入りした家?


まさか‥‥


「オズ‥‥それ
ギルバートから借りた帽子だから」

「もしかして‥‥ギルバート様のご友人ですか?」


私の中で一つの考えが形になっていった







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