ガキ領について

□概要
2ページ/3ページ

■あらすじとみどころ

◆ あらすじ

主人公は茅野広海。蓮見高校二年、両親は海外赴任中で現在は兄と弟と三人暮らし。
兄は容姿端麗、頭脳明晰、愛想抜群、ただし寝起きは最悪の陽一。
弟は無口、無愛想、無関心の上鉄面皮の、バスケ一筋な大地。
そんな二人に囲まれた広海も、当然のように図太い神経を持ち合わせていた。
友達も負けず劣らずそれぞれ華やかな、小林芳樹、新田薫、椎名克彦。

ただでさえ退屈する暇のない賑やかな日常の中、次から次へとトラブルに襲われる広海。
その度に望まない噂が校内に広まって、嬉しくないあだ名が増えていく。
そこへ過去の苦々しい事件を蒸し返すような問題まで起こって、広海は否応なくそれと関わることになる。

五月の連休明けから、五月末の体育祭に向けての本格的な練習や準備が始まる時期。
その体育祭への進行を背景に、広海を取り巻く人間模様が描かれていく。



◆ みどころ(ネタバレ注意)

各キャラクターの個性が、作品最大の魅力である。
兄の陽一と弟の大地。
仲のいい小林、新田、椎名。
幼馴染みの堤大悟。
生徒会長、武藤和将と副会長の麻生涼介。
中学サッカー部時代の相棒、青木和巳。
小学校時代同じサッカークラブに所属していた川島祐一郎。
同じく緒形拓也と高坂光流。
大地の高校のバスケ部仲間の日高千明、部長の藤田聡。
広海を取り巻くようにして絡まるそれらの人間関係は、見ていて飽きることがない。


同時に、ストーリーの進行上で大きな意味を持つのが、過去の事件である。
昔はサッカー少年だった広海は、中学二年の夏に部内で起きた暴行事件を機に、サッカーをやめてしまっている。

その年、広海たちの所属する美原第一中学校サッカー部は、例年にない快進撃で県大会準決勝に初進出した。
それを祝いに、OBらが練習を見に訪れる。そのOBの一人が部のマネージャーを暴行したのが発端だった。
OBである西崎圭輔は、サッカーの名門校に進学したが自分の実力不足に挫折を味わっていた。
なのに後輩たちは県のベスト4になり、準決勝に挑もうとしている。
それを無邪気に喜ぶマネージャーに腹を立て、西崎は彼女を殴りつける。そこへ広海が駆けつけ、西崎を殴って止めた。
結果としてマネージャーは入院、学校は準決勝出場辞退を決めた。
夢を奪われた形になったサッカー部員たちの怒りは、理不尽にも暴行を受けたマネージャーに向かい、広海に向かった。
部員たちは広海を罵倒し、殴りつけた。それは乱闘に発展し、大騒ぎになる。
その後広海はサッカー部をやめ、部は一年間の対外試合禁止が決定した。

当時のサッカー部にいた先輩の一人が、現在の蓮見高校サッカー部に所属している。
その部員から話を聞いた三年が、広海の動揺を誘おうと話を持ち出してくる。
それからも事件に関係していた人物が次々と主要な話に絡み、広海と周囲に影響を及ぼし始める。
広海はサッカーをやめて以来疎遠になってしまっていたサッカー仲間と再会し、旧交を温めたりもした。
今後の話においても、この過去の事件は重要な意味を持つと考えられる。


『子供の領分』についてへ戻る
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ