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□仲良くしてね?
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いつもの様に暖かい昼下がり。
いつもと違ったのはとある二人が揉めていたことぐらいでした。



「中村くんはさぁ少し生意気だと思うよ?なにその先輩に対する態度?」
「残念ながら俺は誰にでもこうゆう態度ですから」
「…ケンカ売ってるの?」
「まさか」

バチバチと火花を散らすのは中村と神谷だった。
この二人が揉めているのにはちゃんとした理由がある。
それはこの二人の横でおろおろとしている彼関係だった。


「あ、あの……!」
「「どうした(の)下野」くん?」

ばっと振り返った彼らはまた嫌そうな表情を浮かべる。


「俺の下野なんですから気安く声かけないでもらえません?」
「はぁ?何言ってるの?僕の下野くんなんだけど」
「大した共演もした事ない上に受けばっかやる人がですか?」
「受けばっかとか関係ないから。大した共演って中村くんだって共演してるだけでそんなに関わってないじゃん」


再び言い合いになった二人。
これはもう子供の言い争いに近い。
それでも下野は涙目でおろおろと二人を止めようとした。
が、止められるはずもなく…。
ついに瞳に溜まった涙が零れ頬から床に流れ落ちる。



「ふ、たりとも…喧嘩しちゃいやで、す…!」


ぽたぽたと大粒の涙が床を濡らす。
泣きじゃくる下野にもう一度二人は顔を見合わせた。
下野に近づいてゆっくりと抱きしめる。


「ごめんね下野くん…もう喧嘩しないから」
「ほ、んと…?中村、くん…も?」
「ああ…しないからもう泣くな」


柔らかく微笑んだ二人を見て安心した下野。
そして今度はうれし涙が流れ落ちる。
でもそんなのどうでもいい。
ぎゅっと二人に抱きつき笑顔で微笑んだ。



仲良くしてね?
「…どうしようか中村くん?ちなみに僕もう下野くんの泣き顔見たくないよ」
「そんなの俺もですよ。…はぁ今日は神谷さんに譲りますよ」
「あーそう言う事?」
「でも俺はマジですからね。…神谷さんでも譲りませんから」
「当たり前だよ。僕だってマジだし」

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