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□決まった答え
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周りのがやがやとした人ごみ、たくさん出店。
僕は今夏祭りにある人物に誘われて来ていた。
隣りにいる恋人は子供の様に満面の笑み。
「下野下野!早く行こうっ!!」
「くすくす小西さん子供みたいですね」
「だって楽しいじゃん!ほら、いいから行こうぜ!」
満面の笑みで僕の手を引いて走る彼を見て笑みを零す。
だって小西さんかわいいんだもん。
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「下野、なんか食べたいもんとかある?」
たくさんの屋台が並ぶ道のりで優しく微笑む小西さん。
「小西さんの食べたいものでいいですよ?」
「うーん、じゃあタコ焼きか?焼きそばとか……あ!わたあめだ!」
歩きながら出店を見ていたら目の前にふわふわのわたあめが綺麗に袋に入れられ飾ってある。
手を繋いだまま近寄って店のおじちゃんに声をかける。
「おっちゃーん!わたあめ一個」
「はいよ!お、お嬢ちゃんかわいいね!わたあめもう一個おまけしたげるよ!」
「え!あの、」
「いいよいいよ!カッコいい彼氏と半分個じゃ恥ずかしいだろ?」
そういって豪快に笑ったおじさんは一つ分のお金で二つわたあめをくれた。
いや、貰えるなら嬉しいけどねおじさん!
「僕、男なのに…!」
わたあめを食べながら先ほどからずっと笑っている小西さんを見る。
ひ、ひとごとだと思って…!!
「小西さん!いつまで笑ってるんですか!」
「くくっ、ごめんって、そんなに怒るなよ」
ぽんぽんと頭を撫でながらちゅっと額にキス。
幸い出店の裏なので人がまったくいない。
ぺろりと口端のわたあめを舐めとられる。
「うまぁ〜♪もう一口…」
「〜〜〜!!自分の食べてください〜〜!!!」
「もう食べた。から貰う」
そのまま口が重なる。
甘い香りのとろける様なキス、小西は味わうようにそれを貪る。
唇が離れると息を荒くした真っ赤な下野が胸に倒れこんでくる。
小西は苦笑して下野を抱き上げる。
木に体を預け自分の膝に下野を座らせる。
と同時に大きな音を立てて花火が打ち上げられる。
「あ、花火だ」
「わぁ!綺麗ですね…」
ここから見える花火はとても綺麗で人がいないのがとても不思議だった。
小西は下野を後ろから強く抱きしめる。
「来年も一緒に見ような?」
頬笑みを含んだ優しい声で問いかけられる。
嬉しさで僕も笑みを零した。
ゆっくりと振り向いて小西さんの唇に優しく自分のを触れさせた。
もちろん答えなんて一つですよ?
決まった答え
(ずっとずっとお前の隣りに居たいんだ)
(だからこの先もずっとずっと)
(隣りで微笑んでいて?)