小説4

□共倒れになろうとも愛情
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 喩えば、私と貴方はロミオとジュリエット。
 片方なしではもう片方も生きていられない。
 喩えば、私と貴方はヘンゼルとグレーテル。
 片方が失敗したら、もう片方も食べられてしまう。
 喩えば、
 喩えば、
 喩えば、


 昔切り刻んだ腕の傷口をぼんやりと眺める。もう最近はしていない、リストカット。時々したくなると、基本的に、会議がなければ真紅さんがメールの相手になってくれる。
 嗚呼、何時からこんなことになったのか。私と貴方を結ぶ赤い糸は強靭。それは釈迦が地獄に垂らした糸であり、釈迦を地獄に引きずり込む糸。表裏一体。私と貴方は何処までも一緒。
 そう、何処までも。
 だから私は生きていられる。死んでも貴方が一緒に居てくれるから。もう独りじゃないから。
 ねえ、
 愛する愛する、真紅さん。







ひっさびさに何書くか悩んだ末に、やっぱり基本の姫璃独白にしました。
お題はすいせい様(http://parallela427.xria.biz/?guid=on)よりお借りしました。

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