小説4
□素直になんてなれない
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「周瑜」
椅子に座って書類仕事をしていた周瑜の後ろから身を乗り出して、孫策は言った。
「外行こうぜ」
「無理だね」
それをあっさりと切り捨てた周瑜は、筆を動かす手を止めずに続けた。
「今忙しいんだよ」
「俺は暇だ」
「何その傍若無人っぷり。弟と行ってくればいいじゃないか。とにかく、俺は今無理だから」
周瑜の脇には、うず高く積まれた書類の山。呉は文官に乏しい。その分、周瑜にも仕事が回って来るのである。
だが、孫策はそれを一瞥しただけで、今度は周瑜の肩を掴みながら言った。
「外行くぞ」
「だから俺は無理だって―――!」
さすがに怒った周瑜が、振り向いて抗議しようとする。その耳を捕らえた孫策は、周瑜の耳元で言った。
「俺はお前と行きたいんだよ。嫌か?」
「――!」
孫策の言葉に周瑜は大きく目を見開き、そして――
孫策の頬を、硯で殴った。
「この馬鹿! 勝手なこと言いやがって!」
床に座り込んだ孫策は、頬を抑えて立ち上がる。そのまま彼が反撃に転じようとしたところで、
「――あと十分だよ」
と周瑜は俯いて言った。
「あと十分待ってくれ。そしたら終わるから」
周瑜の言葉に、孫策は大きく目を見開く。そして、
「――ああ。十分くらいなら待ってやるよ」
「本当に傍若無人だね、君は」
孫策が言って、周瑜は微笑む。そんな彼の体を、孫策は後ろから抱き締めた。
「お前のためなら、いくらでも待ってやる」
16666打を踏んだあずささんからいただきました「呂布子ちゃんの孫策×周瑜」でした!
呂布子ちゃんの周瑜はツンデレだと信じています^^
キリリクありがとうございました!