小説4

□弐
1ページ/9ページ




 空に紅の月が浮かぶ。
 その様子をしばし見上げていた鬼は、薄い唇を開いた。
「面白いことになったな……」
 風に巻き上げられ、色素のない銀の髪が宙を舞う。同色の目には月光が映し出されており、不思議な色を醸し出している。
「偶然とは面白いものだ」


 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ