小説4
□弐
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空に紅の月が浮かぶ。
その様子をしばし見上げていた鬼は、薄い唇を開いた。
「面白いことになったな……」
風に巻き上げられ、色素のない銀の髪が宙を舞う。同色の目には月光が映し出されており、不思議な色を醸し出している。
「偶然とは面白いものだ」
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