小説2

□自堕落のすゝめ
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 敷きっぱなしの布団に入って、煎餅布団のかけ布団をかけて、万全の体勢。それから手を伸ばして、枕元に積んだ本の山の中から気分の一冊を取り出す。佐々慧助の『悪徳賛美歌』。ここだけの話、僕は慧の歌の大ファンなのだ。本人には絶対に言わないけど。
 色々と体勢を調節した結果、横向きに寝て片手でページをめくるのがよいと分かり、早速その体勢をとる。ページを開くと髑髏がバレエのチュチュを着て踊っていて、顔がにやけてくる。慧のやつ、やけに僕好みのものを書いたものだ。
 休日の午後、文士に休日は関係ないけれど、今ばかりは執筆は休みにして布団の中で本を読みふける。ここであられでもつまめたら最高なのだけれど、あいにく実家ではないのでそれだけの余裕はない。しかし、布団の中で本を読む、この行為だけで最高なのだ。嗚呼、この自堕落感! 悪徳賛美歌でも作って流したいくらいだ。






自堕落のすゝめ


鶴ちゃんが本を読みふけるだけの話を書きたかった。いちおーこのシリーズの主人公は鶴ちゃんになります。
お題はイーハトーヴ様( http://nanos.jp/xkrgx/)よりお借りしました。

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