■ルフィ親分捕物帖


□男心と秋の空。
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 今回のタイトルを見て、やだ Morlin.さんたら間違えてるとか思った方はいませんか? それも言うなら“女心と秋の空”でしょうに…と。
実は、昔は“男心”だったんですってよ、奥さん。
世に変わりやすいものと言えば“男心と秋の空”で、女心は“冬の風”と対になっているそうでして。しかもこの言い回し、原本は外国なのだそうな。男心というのを手持ちの辞典(三省堂)にて紐解くと“男性特有の心情”とあり、その次にくるのが“男の浮気な心”だそうな。それに対して“女心”のほうは、女に特有の“微妙な心理”となっており、次にくるのが“女が男を慕う気持ち”。古来より、変わりやすいのは男心の方だったらしいです。

男性の方が移り気なのは、実はDNAレベルの“本能”だとする説もある。男にせよ女にせよ、自分の遺伝子をこそ次の世代へ遺したい伝えたいと思うもの。それは生命保存の本能であり、それに従うならば、男はたくさんの女性へ種をばらまかねばならず、それがために多くの女性へ目移りするのだそうで。
逆に女は、自分がこれと見込んだ強靭で優秀であろう精子の持ち主は、出来ることなら独占したい。そうやって自分の遺伝子をこそ優先して遺したいと思うもの。
よって、浮気をされた場合に、コトの発端である腰の落ちつかなカレ氏の方ではなく、相手の女をこそ憎む不思議な女性心理も、これで説明がつくのだそうな。

 そいや、これは 関西地方の“おばちゃんたちのオピニオンリーダー”やしきたか○んさんが仰ってたことですが。男と女の在り方の“時流”というものは、その時その時を代表する歌謡曲の変遷を見りゃあ一目瞭然なのだそうで。昔はというと、それが不倫なんかじゃなくたって、女は男の横暴や浮気に耐えるしかなかったし、一方的に別れを持ち出すのも男の方。恋なんてどうせそんなものと、どんなに悲しい恋であれ、女はすがって待って耐えるのが定番のように歌われたものだが。恋慕の情ゆえに日陰に甘んじることも往々にしてある存在から、徐々に徐々に。やがては女も言いたいことを言うよになった。女性の社会進出で形勢は大きく変化をし、それまでの“尽くすのが美徳”だった定形は崩れ去り、まずは愛を囁いてくれなきゃ始まらないとする、あくまでも対等な“王女たち”の天下になった。女性も自由な恋愛をするし、気まぐれな恋人に愛想を尽かしての“さようなら”を自分から言うよになった。しまいには男の側から“俺の話を聞け”と、貸した金なんてどうでもいいから“5分だけでいいから”と説くようになったほどに形勢は逆転したのだ…との説が、それぞれの時代時代の色んな歌謡曲を引用して説明されてて、ホンマに可笑しくて可笑しくて堪らなかったものですが。


 じゃあ“乙女心”はどうでしょか。例えば、初恋はなかなか成就はしないと申します。なのに、そうそう簡単には諦められぬものでもございます。何せ、初めての体験ですんで、やることなすこと感じることのいちいちに印象も強く。一世一代の恋だと思い込むものだから、破綻したって未練も強かろ。それが証拠に、どんな幸せな結婚をしようと忘れ得ぬもの。純粋無垢だからか、それとも破れるなんてな“負の未来”は、自分には絶対にやって来ないと信じているのか。一番初心な女心ではありますが、繊細過敏に揺れはすれども、案外と…諦めるなんてなかなか思いもつかない。若くて柔軟だからこそ、結構 頑丈強靭な“はぁと”なのかも知れませぬ。



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