■ルフィ親分捕物帖


□ツノ出せ・ヤリ出せ・アタマ出せ
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 日本の唱歌シリーズですかというタイトルが続きましたが、ちょっとばかしお久し振りの例のアレです。(こらこら)

 日本の江戸時代に、風俗や文化のよく似た此処は、グランド・ジパングという名の国で、
アニメではそのまま一国だったようですが、すいません、ウチでは“藩”です。
も一つ上の階層にあたる“幕府”という国政組織は、どこか遠くの土地に別にあります。

でもでも結構自治独立はしているようで、
藩主ネフェルタリ・コブラ様の、寛大鷹揚、余裕のある誠実な治政は、藩の人々の隅々にまで行き渡り、
飛び抜けて贅沢は出来ずとも、さしたる格差もないほどほどに穏やかな社会が安定して続く、どこぞの困った国とは大違いの平和な土地であるようです。

とはいえ、そんな和やかな国でも、困ったお人はいるもので。
呑気な人々を小手先で騙くらかしてやろうとか、抵抗する術を持たぬ人々をいいように脅して大枚せしめてやろうとか、
そういった自分勝手な悪巧みが全くないという訳じゃあない。
そこで、そういった悪党を懲らしめては法によって律し、治安維持に貢献している、
そんな組織も藩主様の膝下にちゃんと存在します。

町を見回って直接の事件捜査にあたるのは、同心の旦那とその配下の“岡っ引き”と呼ばれる面々で。
いざ逮捕だという段になれば捕り方の皆様も動員されますが、
日々の警邏や情報収集、町の衆からの相談請け負いなどは、
町人から指名されて十手を預かる岡っ引きの仕事。

何度も言いますが、この“岡っ引き”は公的な資格職ではありませんので、細かいことを言えば何の権限もないところなのですが、
同心の旦那の手飼いであることと、それなり地域の顔役であることから睨みが利いて、立派に警邏の役を果たしてもおりました。

そんな立場であることから、
自然と世襲制、若しくは先代からの指名制で引き継がれることも多かったようですが、
このグランド・ジパングで一番若い親分もまた、その例に洩れない“ご指名”あっての登用で。
喧嘩の腕っ節の強さと、そりゃあ真っ直ぐな気性と気っ風のよさ、
それらを住民の方々から愛されているところを買われての襲名をしてから、まださして歳月も経ってはいないというのに。
お手柄と失敗の度合いが毎回毎回シーソーゲームになる大活躍をこそ、町の人々がスリリングな娯楽みたいに構えているほどの、
そりゃあもうもう、破天荒なまでの正義の味方。(何やそれ・笑)
大きな瞳にまだまだ童顔の、
モンキー=D=ルフィ親分といやぁ、
火消しや鳶の兄さん方に負けないくらい、町の衆から絶大な人気を集めている親分さんであるそうな。



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