世界が君の名を呼ぶ朝までは


□平成のジュリエット
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 あんなあんな、ナミがゆってたぞ。昔むかし、がいこくに“ろみよ”と“じゅいえっと”っていう人たちがいて、二人はとっても仲良しだったのに、お家の人どーしは仲が悪くって。そいで、あそんじゃいけません、会ってもいけませんて、どっちもおとーさんたちから ゆわれたんだって。でも、そんなのかんけーないもんて、やっぱり“ろみよ”と“じゅいえっと”は好きどーしだったんだって。そいで、あんまり じゃまばっかされるからって、とうとう二人で、えいって大人の来れない“遠いトコ”へ行っちゃったんだって。




おや、ナミさんたら小さい子供相手だからって、一応は抑えた表現してくれたんだなと思ったのも束の間で、
「でも死んじゃっちゃいけないよなぁ。」
 あっけらかんと言い放った小さな従兄弟のお言いようへ、思わず足元が不如意になりかかって、何にも転がってない舗道でつんのめりそうになったサンジであり、
「だって死んじゃったらサ、マックもケンタも“らふてぃ”のケーキも菱屋のコロッケも食えなくなるし。」
 なんともルフィらしい“because(だって)”へ、
「出来合いのデリバものしか喰わせてねぇような言い方をするんじゃねぇよ。」
「………サンジくん、注意するポイントが違う。」
 ナミさんが呆れつつも笑ってくれたのは、あれは一体、いつの会話だったろうか。






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