【短編】e
□たまには
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「え〜ん〜ざんvV待ったぁ?」
「待ったぁ?じゃないッ!誘っておいて遅れてくるなんてどういう頭してるんだ!俺は忙しい中わざわざ時間をあけてーー」
チュッと口をふさぐと少しして何をされたのか気づいたのか顔を真っ赤にした。確かに遅刻したけど、今回は許してほしい。
ホントはオレ5分前に来てたんだ。それで炎山を見つけたから駆け寄ろうと思った。でも、炎山は知らないお兄さん達に話しかけられてた。助けなくちゃって思って進み始めた時に炎山の声が聞こえて足が止まった。
「すみませんが大切な人を待っているので、あなた方と遊んでいる暇はありません。」
炎山はキッパリとそう言った。嬉しかった。炎山はあんまり好きとか愛してるとか言ってくれないから、オレのこと大切な人って言ってくれたことにすごく胸が高鳴った。
「…と…熱斗?聞いてるのか?」
そう言う炎山の声で現実に引き戻された。
「ゴメン。」
「今日のお前はなんか変だぞ?変なものでも食べたのか?」
そうやってオレの顔を覗き込んで心配してくれる。
そんな炎山がスッゴくかわいくて
「炎山とデートできるって思ったら寝れなかったんだ。」
なんて冗談を言ったらまた顔を赤くする。
あの時炎山がキッパリ断った後お兄さん達は諦めてどこかに行って、炎山は約束の時間になっても現れないオレを探してキョロキョロしたり時計を見たりして、なんだかとっても可愛くて話しかけてその姿が見えなくなるのが惜しいと思ってしばらく眺めてたんだ。
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