九尾の狐。

□旅過。
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六番隊守護配置についた白蘭。


「特に変わった様子はないっスね」
「そうか」


恋次の報告を受ける白哉。
白蘭は詰まんなさそうに煙管を銜えていた。


『ねぇ。本当に旅過が瀞霊廷に入ったのぉ?』


何刻たっても、情報が入らない状態。
白蘭は眉を寄せる。


「じゃなかったら、警報なりませんって」
『・・・でもなぁ!それらしき霊圧も感じられないし、門も突破されてないじゃん』
「・・・・・・」
『もう直ぐ夜明けだよぉ?白蘭には今現在、旅過が瀞霊廷内に居るとは到底思えないねぇ』


灰を捨てると白哉の肩にぶら下がる。
そうして目を擦るとその手を白哉が止める。


「眠いのは解るが、擦るな。目を傷める」
『ん』
「でも、白蘭隊長が言った事が本当ならあの警報は一体・・・・」


夜明けなのか空が少し白くなった。
そして、一点の光りが空にあった。



ゴォォォォォオオオ


「な・・・何だ、アレ・・・?」
『落ちてくるねぇ。皆少し下がりなぁ!』


六番隊隊士に命令すると隊士は指示に従う。



ドドドドドドドドド


『(あれは、空鶴の・・・・・・?)』




ズゥン


遮魂膜にぶつかり球体の光りは止まる。



「なんなんだ、一体」
『遮魂膜に衝突せても、消滅しない程の密度を持った霊子体ってことかなぁ?』



大きな音が地響きのように聞こえてくる。



ドォン


『あ。四つに分かれた』
「そんなに戦力に自身あるんスかね?旅過ってのは」
『さぁ?』



敵地で逸れるなど言語道断だ。


『あぁ。一つは十一番隊の子が居る方に落ちたねぇ?』
「ツイてないっスねぇ。敵ながら同情します」
『あはは!多分、この霊圧、三席と五席の仲良しコンビだね』
「一角さんと弓親さんスね」
『にしても、コッチには落ちてこなかったね、白』
「そうだな」
『帰っていいかなぁ?』


ベシッ


『痛いっ!』
「守備を続けろ」
「「「「はっ!!」」」」


白哉の声に隊士達が反応する。


今の所何もする事がない白蘭は目を伏せた。


『(旅過の霊圧・・・一つ二つ・・・四つ・・・・・・六つだね。カナリ抑え込んでいるいるけど・・・・・・・)』


白蘭の霊圧が微かに揺れた。


「白蘭?」
『・・・・・・本当、厄介事を持ち込む奴だ』


その呟きを白哉はハッキリと聞いていた。





END
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