九尾の狐。

□旅過。
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翌朝。

白哉にたたき起され、一旦自室に帰らされた白蘭は着替えて、又、牽星箝二つもって白哉の自室に戻る。


コクコクと今にも寝そうな白蘭の頭を軽く叩きながら白蘭の髪を結っていく。
この仕事は昔から白哉の物。
通常の使い方をせず、筒状に合わせ止める。


「終った」
『んにゃ』


毎朝、出社時間に間に合うように白蘭を起す。白哉の一つの仕事終えると白い地獄蝶が白蘭の周りを飛んだ。


指を差し出すと地獄蝶は止まる。


”今回の旅過騒動。収まるまで護廷隊と行動する事を命ずる”


白哉には聞こえない声に白蘭は返事をした。


「零番隊か」
『ん!』


双子は執務室に向かった。
恋次は隊舎牢に向かった。


処刑まで14日を切った。
懺罪宮四深牢にルキアを移送する為。



『クシュンッ!クシュンッ!!』
「・・・・・・」
『風邪でもひいたかなぁ?』
「なんとかは風邪をひかぬ。と言う」
『どー言う意味?』


やたらクシャミをする白蘭は白哉の言葉にニッコリ笑って黒いオーラを放つ。


「・・・・・・いや」
『今日は比較的に書類が少ないなぁ♪』


嬉しそうに言う白蘭は片手で筆を持ち片手で机に乗せてある金平糖と幾つか取って口に入れる。
今更だが、白蘭は両利きだが筆や箸は左なのだ。
幼少の頃左利きはいけないと、何度も直す様にと注意されてきたが、最終的に左になってしまった。


カンカンカン!


『ん〜?』


”隊長各位に通達!隊長各位に通達!只今とり、緊急隊首会を召集!!繰り返す”


『・・・・・・面倒臭い』
「用意をしろ」
『はいはい』
「返事は一回でいい」
『はーい!』
「・・・・・・」


暑くて脱いでいた羽織を羽織ると袖に幾つかのお菓子を入れ、煙管を手にとる。


『どうせ、全員集まるのに半日くらいかかるんだからユックリ行こうよぉ』
「緊急招集だ」


そう行って九月を白蘭に渡す白哉。
二人は六番隊隊舎を出て行く。

副隊長には強制に副官章を着けることを命じられ二番側臣室に待機命令が出される。



昼になり、持っていたお菓子を白哉に強制に食べさせノンビリとする。


『未だ集まんないのぉ?』



もー、嫌ー!と叫ぶと集まっている隊長達はクスクス笑った。


『山本のおじいちゃんも、ずーっと座りっぱなしだと腰痛めるよぉ?』
「ふぉふぉふぉ!儂は大丈夫じゃ。ホレ、この饅頭でも食べるか?」
『食べるー♪』


山本の膝にチョコンと座り貰った饅頭を食べる白蘭。


「ふふ。白蘭様ったら。いつも楽しそうですね」
「体は成長されたが精神年齢はまだ幼い。仕事はシッカリとこなすのに・・・」


卯ノ花の言葉に砕蜂は困った様に言う。


その後、更木がやってきて、十一番隊副隊長の草鹿やちる用のお菓子を白蘭に与えたりしていると夜になった。

白哉の肩にぶら下がり眠りこけてたりもしていたら夜になってしまった。


そして、漸く最後の隊長の霊圧が隊首室の扉の向こうに感じられると既に待機していた隊長達は整列した。








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