九尾の狐。

□義妹。
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白哉が六番隊副隊長に昇進した。

白蘭が隊長に再就任してから二年後に蒼純は殉職した。


葬儀では一切涙を流さなかった白蘭。


蒼純は尊敬する父であり、誇りある死神として亡くなった為、悲しくはあったが笑顔で見送ると決めた為穏やかな笑みを見せていたのだ。


そして、白哉と緋真が結婚して五年目の朝。


「・・・白哉様、白蘭様」


床に伏した緋真が白哉の手を取り口を開く。
白蘭は琵琶を軽く弾きながら話しを聞く。


「どうか、私の妹を見つけてやってください。そして、どうか見付けたら、私を姉だとは明かさないでください。
明かさず只、白哉様と白蘭様のお力で、どうか妹を守ってやってください」


ただ話しを聞く白哉と美しい琵琶を音を緋真に届ける白蘭。


「私は妹を捨てました・・・姉と呼ばれる資格などございません。
ですから、どうか、あの子には白哉様を兄と、白蘭様を姉と呼ばせてやっていただきたいのです・・・。

最後まで甘えてばかりでごめんなさい・・・・・・。白哉様に頂いた愛を、白蘭様に頂いた楽しい時間をお返しできなくてごめんなさい・・・・・。
白哉様と過ごしたこの五年。白蘭様と過ごしたこの四年、緋真は夢の様でございました・・・。

白哉様・・・・・・白蘭様・・・・・・・・・・」



ポロン

ポロロン


琵琶の音が部屋に響く。


その年、最初の梅の咲く前に緋真は亡くなった。


緋真の葬儀には、誰に難と言われようと喪服で琵琶を持ち込み、白蘭が奏でる曲で緋真がとっても気に入っていた曲を穏やかな顔で弾き通した。

白哉から礼を言われた。

双子だからこそわかるお互いの気持ちを理解していたからだ。


よの翌年、真央霊術院に通う緋真の妹を見付けた。
一目で解る、その妹は緋真に瓜二つだったから。


緋真の妹ルキアを、朽木家に入れる事に付いての話合いは凄かった。

流魂街の者の血を貴族の家に混ぜる事は掟に反し、朽木家の名を下げると屋敷の者は言ったが、白哉は緋真との約束を守るが一心で反発していた。


「姫様!」


騒がしい一室に煙管を銜えた白蘭が入ってくる。


『賑やかだねぇ』
「姫様のご意見は・・・」


朽木の姫、白蘭の意見を一回も聞いた事がなかった屋敷の者は白蘭を見る。


『んー。掟に反していると言うのであれば、既に皆掟に反しているだろうにぃ』
「・・・・・・」
『緋真ちゃんを朽木家に迎えた時に既に掟を破っているじゃないの!』
「此れでは二度も破る事となります」
「それに、既に姫様がいらっしゃると言うの養女とは」
「・・・・・・白蘭。兄も反対か?」


白哉が真っ直ぐと白蘭を見る。


『白蘭としては義妹が出来て家族が増えるんだ、楽しくていいじゃない♪・・・・・・それに、四大貴族の者が約束を破るのもねぇ。それも妻である緋真ちゃんとの』
「では・・・」
『白蘭は良いと思うよぉ!』
「なんと!」
『と言う訳で義妹を迎えにいこーう!』
「白蘭よ。楽しんでおるな」


銀嶺は呆れたと言った顔をしていた。






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