小説・ショート

□焦燥
1ページ/2ページ

「…わりぃ、今日は抑えが効かねぇ」 

ドン、と壁に押しつけられて。

「つばさ?…んっ…」

いきなり呼吸を奪われる。
いつに無く激しい口付け。
口付けと言うより襲撃。


容赦無く入り込んでくる、つばさの舌。
深く奪われて、応える事もままならない。

頬を包む彼の両手は、私の顔を固定して。
逃げる事も許されない。

…いったい、どうしたって言うの…?

言葉に出来ない疑問も、どうでも良くなってくる。

その舌先に歯列をなぞられ、戸惑う舌を吸い上げられて。

「…香淋(カリン)…」

初めて聞く、余裕の無い声。

私はここにいるよ?と答える代わりに、その背に両腕を回せば。

彼の目に、炎が揺らめく。

その熱さに目を伏せれば。

つばさの手が、Tシャツを捲り上げた。

「…!」

たくし上げられたブラとTシャツが、胸の上にたごまる。
脱ぎ去ってしまうより卑猥な感じに、熱くなる頬。

「……は…」

けれど羞恥を覚える暇も無く、つばさが先端をくわえる。

「…あ…」

キリッと噛まれて漏れる声。

空いた片方は、強く掴まれて。

強すぎる刺激に、つばさの肩に爪を立てる私。

けれど構わず、彼の片手は下へおりる。

小さな布の下へ潜り込み、つばさの指先は、体内へ入り込んだ。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ