虎の夢

□もし皆が同じ寮に住んでたら
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あるオフの事だった。
「どうせ私の気持ちなんて考えたこと無いんでしょう!?私を道具としか思って無いのよ!!」
「そうよオバサン!分かってんじゃない!ねえ、貴幸ー。」
「そうだ。俺は吉子に本気なんだよ。」

昼下がりにテレビから流れるしょうもない会話。その前で真剣に見ているのは、鳥谷だった。

「あれ、トリやんか。旨そうなケーキやなあ。トリケーキなんか好きやったっけ?」
そう言って帰って来たのはひーやん(桧山)。テレビのあるリビングで珍しくケーキなんか食べているトリを見つけて思わず話し掛ける。
「はい。最近食べながら昼ドラ見るのにハマってるんです。今良いとこなんで話し掛けないでもらえますか?」

さすがトリである。ズバズバいって遠慮なし。
そんで、恐れ知らずのひーやんは、まだ懲りない。

「ひどいなあ〜トリは〜。なんや主婦みたいな趣味やな。まぁたこんなドロドロしたドラマを…」

「桧山さん…う・る・さ・いんですけど…」

「すいましぇ〜ん」

黒いオーラを出すトリにおじけずき、そそくさとひーやんは自分の部屋に戻っていく。恐るべし主婦、トリ。
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