キリリク・企画小説
□忘れモノは何ですか?
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ある晴れた日の朝。
とあるマンションの1室で闘志を燃やす者が一人いた。
「今日から3日間。全力でお守りします!!10代目っ!!」
†忘れモノは何ですか?†
今日から中学校で定番の京都・奈良への修学旅行。
3日間もの間を10代目と寝食をともにし、片時も離れずに居るわけだ。
10代目に危害がないようお守りするのが右腕の勤め。
俺は朝から10代目を迎えに沢田家へと向かっていた。
いつもよりも多めに持ったダイナマイト。
いつ狙われたとしても返り討ちにしてやれる。
そしていつも通りにチャイムを鳴らすのだ。
「おはようございます!!10代目っ!!」
「あら。早いわね。」
「ごばぁーーっ!!」
「ちょっとビアンキ!!顔隠してっ!!」
朝からまさかの攻撃を喰らってしまった。
こんなに早くに倒れるなんてとんでもない失態だ。
急いでゴーグルをつけさせる10代目が輝いて見える。
「よお。ツナ。やっぱり獄寺も来てたのな。」
「おはよう。山本。」
「ところで…どうしたんだ?」
「あ〜…。ビアンキが…。」
「…獄寺も大変な…。」
同情なんかいい。
そう声を大にして言いたかったが、そんな余力はなかった。