キリリク・企画小説

□今宵も紅い華が咲く
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水なんか飲みに来なきゃよかった。
いや、来てよかったのか?

もう、どっちだか分からない。
分からないけど…。

こんなアイツを見たくなかった…。





†今宵も紅い華が咲く†





「アスラン〜!!今日こそはっ!!」


いつものように闘志を剥き出しにしたイザークが部屋を出てから5分くらい経った時。


―喉、乾いたな…。


俺は読んでた雑誌を閉じて、部屋にある備え付けの冷蔵庫の中を見た。


「なぁんもないじゃん。」


俺は力なく冷蔵庫の扉を閉め、食堂へと向かった。


「……貴様ぁあ〜っ!!」


まだ遠くにある食堂から響き渡る怒声。
その聞き覚えのある声に溜め息を隠さずにはいられない。


―また負けたのか…。


俺はこれから荒れるだろう部屋の片付けを思い、深い溜め息をつきながら食堂へ歩いていく。


「またイザークは。今のままでも充分強いよ。次は俺が負けそうだ。」

「ふんっ!!勝たなくては何の意味もない!!」

「そうだな…。」


食堂から聴こえてきたのは甘さを含んだアスランの声。

歩調が心なしか早くなる。

食堂に着いた俺が入り口から見た光景は俄かには信じられなかった。
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