キリリク・企画小説
□慕情交錯
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気づいてしまったんだ。
その想いの先には…。
†慕情交錯†
生まれたときから、ずっと大切だった。
俺が守らなくてはいけないと想った。
昔も今も、これからだって。
ずっと傍にいるのは俺だと想っていたんだ。
「…ナナリー。」
目の前にはナナリーと楽しげに話をしているスザク。
前々から思っていた。
シャーリーや会長と話す時よりも、ずっと優しく笑うスザク。
その瞳の先にはいつもナナリーが居た。
だから気がついてしまったんだ。
スザクはナナリーが好きなのだ…と。
スザクはいい男だと想う。
誰かを守れるだけの強さと優しさがある。
容姿も申し分ないし、努力家だ。スザク程の男がナナリーの傍に居るのならば、文句はないだろう。
文句はないはずなのに…。
「…胸が苦しい…。」
きっとナナリーに想いを寄せている男に気がついてしまったから。
涙が流れそうなのも、きっとそのせいだ。
「ルルーシュ!!」
俺に気づいたスザクがこっちに手を振っている。
今の俺は胸のモヤモヤが晴れなくて、軽く手を振って部屋へ向かった。
チラリとスザクを見やれば、またナナリーと話を始めていた。