虚偽と嘲笑

□消えない罪と、見えない罰
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「ア、アァッ イッ」


止めてと言いたいのに言葉が出ない。


「イヤ?良いの間違いでしょう」


薄く笑いながら男はグイグイと奥に入ってくる。体格かサイズのせいか、私のナカは許容範囲ギリギリ、否、アウトだ。抜かれれば内臓まで一緒に出ていきそうだし、逆に押し込められれば内臓すべてが口から出てきそうだった。明らかに合っていない、そう感じ素直に男に伝えても男は柔和な笑みを崩さず私を組敷く。一切の拒絶を許さないと暗に示すかのごとく。


「苦、しッ もう、アァッ」


柔らかなベッドに俯せの状態で押さえ込まれ無防備な背後から突き上げられる。こんな行為をしても何も満たされやしないのに何故貴方は私を抱くの、何故毎晩ケモノのようにただひたすら腰を振るの、何故私を求めるの。


「苦しい?おかしいですね」


おかしいのは貴方の方よ。


「貴方のナカは淫らに蠢いて私を締め付けていますが」


違うわ、それはただの気のせいよ、痛いのと恐怖で私の膣が収縮しているだけだから。


「こんなに熱く熟れているのに苦しいとか、嘘はよくありませんねミア」
「ウァ、イ アァ、アァアッ」


嘘なんて吐いてない、本当に苦しいの、身も心も千切れてしまいそうなくらい痛くてたまらないのよ。貴方の言う通り契約したのに苦しみは減るばかりか増える一方。


「も、 お願ッ 助け てッ」


魂は永遠に貴方のモノ、輪廻の輪から弾かれた私は未来永劫貴方という檻に囚われたまま生きる事も死ぬ事もできないのだ。人間にとって耐え難い苦痛を味わう私に何故貴方はそんなに嬉しそうな笑顔を向けるのか。


「助かりたいなら」


私を貫く楔を最奥にしまいこむと男は漆黒の絹のような髪をかき上げる。甘い毒のような含みのある笑みを浮かべながら宝石のような紫色の瞳が光った。悪魔とは本当に無慈悲なんだ、とことん追い詰めて追い詰めて、そして最期は崖から突き落とす。そこに神からの救いなど一切ない、あるのは絶望と後悔。


「心の隅々にまで私でいっぱいにしなさい、ミア」


貴方に必要なのは私だけですから

そう言ってまた動き始めた。












一度とはいえ貴方から離れた私の罪はこの先一生消える事はなく、それを責める貴方は私の身体を汚す事で罰を与える

でも、真に恐ろしいのは自分かもしれない

貴方の瞳に映る私はまるで、


(悦びよがるただの雌)

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