ハヤテ小説2

□世界樹の迷宮V〜Burn My Dread!〜
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戦いから3日後

アーマンの宿にて



『そういうわけですから、ギルドに入れてください。』

『ええ。わかったからとりあえず折れてる右腕から手を放してもらえるかしら?』

この娘は本当に仲間になる気があるのだろうか。とりあえず私の右腕を人質に交渉する辺りマトモではないのはたしかなのだけど。

『い゛っ!?』

交渉は成立したはずなのに人質に手を出してきた。
しかも手を出すことにまったくメリットはない辺りがまた酷い。

『フィア…』

『バカにされた気がしたんだもの。仕方ないわ。』

気がしただけで骨折している右腕をおもいっきり握るのは酷いんじゃないだろうか。
本当に仲間になろうと言われてるのか疑うレベルな訳なんだけど。

『まったく…お前達が命の恩人でなかったら私がお前達の命を断っているほどに無礼な態度を姫様に取っているのは理解しているのか?』

『お前『達』って……なんで私まで…心外だわ』

『フィア…心外なのは私の方……というか私は何もしてないもの…』

『じゃあユキさんのことね。』


この娘の耳は正常だろうか?どうして私が無礼な態度を取られた上にシラユキに命を断たれなければいけないのだろう?理不尽とかそういう話ではない。
もしかしたらこの娘はとても残念な娘なのかもしれない。

『うあ゛っ!?』

『フィア…』

『仕方ないわ。人を残念な娘を見る目でみてるもの。』

『理不尽…!こんな理不尽な仕打ちは初めてよ…!』

あまりの激痛に涙が出てくる。
あの死闘を共に生き抜いた戦友にこの仕打ちはなんなのだろうか。
しかも仲間にしてほしいと言われたはずなのに。
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