短話

□グッバイマイワールド
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(シンクが異世界に飛ばされる時の話。)

















もう、終わりにしよう。


短い人生だった。そのくせ、悪いことが一生分濃縮された人生だった。
この通いなれた中学校舎の屋上から飛び下りたのなら、私はこの俗世から解放される。落ちる途中で魂と身体は分離し、魂は肉体の呪縛から解放され軽やかに天に召される。なんて美しいことだろうか。
親が親知ったら悲しむだとか、トマトのように破裂してしまった私の死体だとか、その後の騒ぎだとかが緩やかに思い浮かんでは消えていく。わずらわしい、こんな世界のことなんて、これからの私には関係ない。私は、これから未来を捨てるのだから。

下を覗けば、固そうなコンクリートが面構えていた。あそこに叩き付けられることが私のゴール。
向かい風が吹いて髪がなびく。そのまま宙に足を踏み出せば、私の体は重力に従って落ちた。




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