短話

□新作会議テルカ・リュミレース支部
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「ユーリ、ピンチだ」

「あ?」

「仮にも主人公が、あ?とか言うなよ、ピンチだというのに」

「『仮に』もなにも、れっきとした主人公だっての。で、誰がピンチだって?」

「ユーリが、だよ!もう、私心配してるっていうのに」

「なんでだ?別に何も変わったことはねえよ」

「あ、る、で、しょ!」

「ねーよ」

「あるの!ヒントその1『15』」

「はあ…?」

「その2っ!『X』!」

「…さっぱりわかんねえんだけど」

「だー!15周年新作、エクシリアのことよ!」

「まーたそういう世界観をぶち壊すようなことを…。
つか、オレはピンチでもなんでもないし。大体、それとこれとは関係ねーし」

「大有りなんだ、それが。ホラ見よこの新☆主人公をよ!」

「わーこいつぁすげーや」

「心篭ってなさすぎだろ…ほら、よく見なさい。この彼、ジュードの容姿を」

「ほーそいつぁすげーな」

「おっま…人が心配してやっているのに!見るべきなのは彼の髪色!ブラック!」

「ああそうだな」

「何か思い当たることはないか?危機感を感じるような事柄を」

「思い当たる…まさか、」

「ああ、そのまさかだ」

「昨日お前のプリン食ったことを…」

「ちっげええええええ!!!言ったでしょ、髪色!か、み、い、ろ!ユーリと同じ黒髪、ユーリと同じキャラクターデザインの人!」

「あーそいつぁやべーぜ」

「おまえな!わかってんの!」

「何をだよ」

「人気投票の結果だ結果!今までシリーズ唯一であったユーリのアイデンティティ、ツヤツヤサラサラの黒髪!新作でダブるんだぞ、医者志望とか優等生タイプとかあっちのが誠実真面目っぽいし!!」

「別にどうでもいい」

「んなああああ!!」

「だってオレの方がカッコイイし。だろ?」

「ばっ…そんな不敵な笑みを浮かべて大人の色気を演出したって私は何も感じないし画面向こうのお姉様方には1ミリも伝わっておりませんことよ!?それに、」

「次はなんだ」

「『仮に』よ。
仮に顔偏差値でユーリ>ジュードだったとしてもよ。
シナリオ次第でどうだって料理できる」

「つまり?」

「ジュード君がカッコよく活躍するようなことがあれば、それで人気がぐーんと伸びるってことよ!新作はヴェスペリアと違ってポリゴンは等身大、クオリティだって段違い!ぶっちゃけミラ姉様私を踏んで下さい!!って感じだったもの」

「へー」

「危機感のないやつー…」

「だって興味ねえし」

「………」

「つか、黒髪?だったらアイツもだろ」

「?」

「リオンだよ。あれだって大分古い作品だぜ?でもずっとランキングに入ってる」

「あー…」

「新作じゃアスベルも三位内に上がったけどな。新作が出るたびにランキング順位が変動するなんて当たり前だ。そのエク…ナントカ?でもっと人気出そうなヤツが出てくるかもしれねえし」

「順位気になってるんじゃない、やっぱり」

「単なる考察だよ。ま、これからどうなるかなんて知ったこっちゃねえがな」

「もううっユーリはマイペースすぎ!少しは危機感を……」

「だからオレはランキングとかどうでもいいんだって…」







ふり出しにもど…れない。
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