Long RE!
□1.お出迎え
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彼に会うのは初めてじゃない。
母に着いていったご近所回りの時に顔合わせは済んでいるんだ。同い年ということも、同じ中学に通っているということもそな時聞いて、申し訳程度の挨拶をして。
母親同士がオバサンくさい会話をしている中、することもない私たちは、話が終わるまで互いにぼうっとしていた。気の弱そうな子だな、というのが第一印象で、あながち間違いではなかったらしい。
私に何か用があって来たんだろうに。互いにまぬけな顔をして見つめ合っているだけだ。
「おいテメェ」
「え」
そんな後ろから現れたのは銀髪緑眼といういかにも外人、しかも整った顔立ちの、俗に言う…不良でした。
「10代目が学校まで一緒に行こうとおっしゃってるんだ、さっさと首を縦に動かしやがれ」
「えっ…あ、」
そういう用件で来たのか。
こわいこわいこわい、お願いだから睨まないで!
だらしなく制服を着崩して、ぺしゃんこの鞄を肩にかける不良君と、いかにも気弱で制服なんか規律通りに着こなしちゃってる沢田君。なんだこれ、デコボココンビか。
で、今不良君は『じゅうだいめ』って言った?
誰のことだろう。っていうか沢田君しかいないよね。
二人はどういう関係なのだろうか。
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