Long RE!
□1.お出迎え
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鏡の中、自分を見つめ返す自分。纏った制服からは新品の匂いがして、少し大きい肩幅も短いスカート丈も、まだ身体に馴染んでいない。
早く着こなせる日が、来るといいな。
リボンを緩く締めなおして玄関へ。やはり履き慣れないローファーの爪先を打って取っ手を掴む。
「行ってきます」
さあ、新しい生活に。
…と気持ち爽やかに家を出たのは良いとしよう。
いや訂正。まだ玄関から半歩も出ていないんですけど。
…ドアを開けた途端、どうして目の前に立ち塞がっていたの。向かい家の沢田君。
「……」
「……」
「………」
「…………」
「……………」
「………………」
なんでもいい。喋ってくれ!
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