中話

□侵入、されど目立ち
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会議室と書かれた扉を開けると、幾人かの視線がこちらを向いた。政治家関連らしき人や地元民らしき人、みなスーツを着ていて見分けがつき辛い。やはり制服姿は浮いているらしく、なんなんだと顔に書かれていた。
出入り口に立っていた職員から用紙を渡される。タイトルは『天水地区再開発について』。その下に目次が書き連ねてあった。
席に着いてさっと目を通す。壇の上に立つ女性の声に顔を上げると、説明係らしくスクリーンに映るグラフや写真の解説をしていた。胸のポケットからボールペンを取り出して、大切な事を聞き逃さないように、忘れないように書き出す。学校の授業のようで、良い心持ちはしなかった。




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