長話
□拝啓、牢屋にて
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続けてはじめまして、と言われたのでとりあえず返事を返しておく。続けて壁を隔てて隣にいるおっさんも。
「お隣りさんもいらっしゃったんですか」
そう言ってへらりと笑う少女。
…牢屋にいるってのに、やけにほのぼのした雰囲気になったと思う。もとから、緊張感なんてものはなかったが。
「男二人で、華がなかったところよお。お嬢ちゃんが来てくれて嬉しいわー」
「あはは…私、お嬢ちゃんって歳じゃないですよ。」
「あら、そうなの?声しか聞こえないもんだから」
見た目も十分少女だよ、と青年は心中で思う。無論、口には出さずに。
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