七作目拍手御礼作品


朝の始まりはキスで






【設定】シャオランくんは、ファイさんのお姉さんの子ども。
ファイさんの職場に幼稚園が近い為、毎日シャオランくんの送迎をしている。








「先生〜、おはようございますっ!」


シャオランくんが朝の登園を待つ私のところへ走って来てくれる。


「おはようございます、シャオランくん」


嬉しそうにシャオランくんは、途中で見つけたのであろう
秋桜を渡してくれる。


「わぁ…きれいだね。
どうもありがとう、シャオランくん。
お友達にも見えるお部屋に飾ろうね」


「はいっ。
どういたしまして!」


ちょっと、はにかみながら
にこっと笑い、
今度は鞄の中からシール帳を出し今日はどのシールにするか選んでいる。


シャオランくんが無事に
クラスまで到着したのを確認して
安心げにシャオランくんのおじさんがこちらを向いて頭を下げて下さる。
――おじさん…とは、
とても言いつらい風貌の方。
シャオランくんは
「ファイお兄さん」と呼んでいる。


私もお迎えまで安心してもらえるようにファイさんに笑顔で頭を下げる。


「今日は、秋桜のシールにしたよ!」


ちゃんと今日の日付に貼られているシールを確認しノートを預かる。




「ね?先生は、ぼくのこと好きだよね?」


朝迎え入れるテラスでは
子どもたちと目線を合わす為、緩く正座している。
その私の膝の上によじ登ってくるシャオランくん。


「もちろん!シャオランくん大好きよ」


社交辞令とかじゃなく
皆、可愛いくて可愛くて愛しい存在。


ぎゅっとシャオランくんを抱きしめる。


今日もこの子が安定した気持ちで過ごせることを願いながら。

触診、視診も兼ねて。


「ぼくも大好き!」


言葉と同時に
シャオランくんの口と私の口がガチン!と、いって
ぶつかった。


それでも、シャオランくんは にっこりと満足気に笑う。



「シャオランくん痛くなかった?」


「これね、"きす"って言うんだって!
好きな人にするんだよ」


「シャオランく〜ん」と
帰りかけていたファイさんが、何だか慌てて駆け寄って来た。


「大丈夫ですから。
シャオランくん叱らないでくださ…」


「シャオランくん、ズルいよ〜。
オレだって、先生好きなのにぃ…」


(へっ?)


「先生は、ぼくのこと大好きなんだよ」


自慢げなシャオランくんに肩を落とすファイさん。


「あの…?」


「ん〜、そうだねぇ。
シャオランくん、
オレもキミを目指して、先生に大好きって言ってもらえるようになるよぉ」


「えっ!先生は、ぼくのだよ?」


「ん?じゃ〜ね、二番目でいいからさ、オレ」


と、にっこり。


(優しい笑顔…)


仕方なく了解したシャオランくん。
ファイさんって楽しい人なんだ…とふたりのやり取りを
にこにこと見守っていると
ファイさんが、不意に私を見て


「って、ことでシャオランくんの了解を得ました〜。
なので先生、
今週末ドライブに行きましょう」


(へっ…)


「あの、私…」


「じゃあ〜、そういう事で。
仕事行ってきま―す」


赤くなる顔を保護者の方や先生方に見られているのに気付いて、私は慌ててクラスに飛び込んだ。






fin.


*…ファイさんに限り、保護者様のお誘いお受け致します(コラコラ!)…*
coco



有り難うございました♪



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