book1
□明智 mm
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私が思いを寄せる方は血がたいへんお好きでした
戦に出かけては
真っ白なはずの彼は毎回の様に血塗られて帰ってくるのです
彼は人の恐怖し、血塗られ、輝きを無くした瞳を見るのが好きでした
彼は悲しい人でした
この感情に関しては
共感していただけないかと思いますが
私は彼を悲しい人だと思うのです
そして同時に愛しく感じられるのです
彼を満たすことが出来るのなら
私は喜んで彼に斬られましょう
今までそうしないでいたのは、私が彼をおそらく満たせないからです
何故なら彼は
゙恐怖する瞳゙が好きなのですから
きっと私は恐怖ではなく
喜びを覚えると思うのです
最後まで彼の顔を見ながら死ねるなんて最高の幸せでしょう?
なんて彼に言ったら
『可笑しな人ですねぇ』
と笑われてしまいました
あぁ…、貴方の狂喜に笑う顔が見たい…
なんて私は本当に狂ってしまったのでしょうか?