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□お前のためなら何でもできる自信あるし
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「緑間っていーよな」

「…はぁ?」


今コイツは何と言った?
緑間がいいだと?堂々と浮気発言をしたのか?
目の前に一応(ってかマジ)彼氏の俺がいるのに
俺は日誌を書いている手を止め
じとーっとした目で伊月を見る
そうしたら伊月はいつもの表情で淡々と言葉を続け始める


「だってほら
緑間には高尾ってゆう立派な下僕がいるだろ
なんかそうゆうのが羨ましくていいなーって」


「お前は下僕が欲しいのか」


なんだ、浮気発言ではなかったのか
と安直してから俺はもう一度日誌に向き直った
それにしても下僕って…かわいそうだな高尾…

などとこの場にいない存在に同情した


「…って事でさ
日向もこれから俺の下僕な」

「ふーん…は?」


いきなりの発言に俺は日誌を手に取りながら1時停止してしまった
まてまて、俺が、お前の、下僕?
今までの会話(とも言えないが)の中で何故そうなる
混乱している頭の中で必死に考えたが
まぁわからずじまいだったのでとりあえず意義を唱えようとした瞬間に


「別にいいだろはい、決定」

「ちょっええっ!?」


などと言われ俺はあれよあれよという間に伊月の下僕ということになったのだった…





* * * * * *


次の日

「俺…伊月に悪いことしたか?」

「え、どうしたの急に」


俺は部活後にそこら辺にいた監督に悩みを聞いてもらうことにした

そう…あの後は大変だったのだ

先ず伊月が家に徒歩で帰宅するのがめんどくさいという理由でどこから持ってきたのか不明だがリアカー(自転車はついていなかった)を引っ張っておれは伊月宅まで行き
二人分の菓子とジュースを部屋まで運び、伊月の脱ぎ捨てた服を洗濯機にブチ込み(その時、伊月の母は微妙なダジャレを言ってきた)、伊月がハスカップ大福やらプリン大福やら食べたいとかぬかしたのでコンビニまで走って行き、伊月の部屋の片付けをし、風呂掃除(ってかアイツが伊月母に頼まれてた家事仕事全て)し、「服着替えさせて」とかいってる伊月を説得し自分で着替えさせたり、ダジャレを一時間以上聞かされたりしていた


そして俺は疲れ果て、そのせいにはしたくないがまともに練習ができなかった


「ふーん…それは大変だったわね」

「ふーん…てお前…俺はハスカップ大福求めにコンビニ八軒巡ったんだぞ」


第一、俺はそんな存在知らなかったし探すの大変だったんだぞしかもコンビニ八軒巡りとかリアカー乗せいで足筋肉痛だし
と続けて監督を恨めしそうに睨んだ
それでも監督はどうでもよさそうな顔しながら俺に

でもそれって自業自得よ
と言ってきた


「自業自得って…何でだよ」


俺は何も悪いことしてねぇはずだぞ…
と続けようとした時に監督は俺に
そんな事もわからないの?
というような目で話始めた


「日向君、鉄平が帰って来てから毎日のように一緒だったじゃない
合宿も毎晩毎晩は遅くまで話し合ってたし」
「それは俺が主将だから…」
「でも結果的には伊月君とあんまり話してないんでしょ?
伊月君きっと拗ねてるからそういうことしたんだと思うわ」


拗ねてるって…アレただ何かの当て付けかと思ってたんだが…
拗ねてたのか拗ねるとか…
アイツやっぱり可愛いな
なんて少しぽわぽわした気持ちになっていたら
監督が引いた顔しながらコホンと咳払いをした
どうやら顔に出ていたらしい


「とにかく、今日向君がいるべき場所はここじゃないでしょ
早く行ってあげなさいよ」

「おお、監督サンキュ
じゃ、俺いくわ
また明日な!」

「ええ、明日までにそのだらし無いかお直しなさいよー」


最後監督に余計なことを言われた気がしたが
そこはもう気にしない
足が痛いがそんなのも気にしない
スルーだスルー

とにかく俺は一刻も早く伊月のもとにつくために走り出した
俺の愛しの可愛い伊月に会いに







お前のためなら何でもできる自信あるし


(日向俺次キャラメル大福食べたい)
(わかったけどそれどこに売ってんの?)





企画『Sol*Luna』様への提出作品です

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