希望的読書感想文

【ゆ】 2件

【夕方らせん/銀色夏生 (ゆうがたらせん)】
★★★☆☆
短編集です。が、どちらかと言えば詩集という方しっくりくると思います
意味を求めて読むよりも、言葉や語感を味わって読む物語。
一つ一つの話にそんなに寓意は含まれていないけれど、全ての話を通じているテーマを見出せます。

少々難解かと思われますが、詩が好きな人や、お疲れ気味の人にお薦め。

『その広いところの、ある点。その広い広い広いところの中の一点が、私だ。』


【行きずりの街/志水辰夫 (ゆきずりのまち)】
★★☆☆☆
白兎がハードボイルドな小説が嫌いな事が判明した作品です
進みが遅く、じわじわと調査を進めるものの、犯人が見つかるのは殆どの場合が偶然。
犯人に窮地に追い詰められるも、運良く助かる。等々。
どーしても受け入れられません
『リヴィエラを撃て』でも痛感したのですが、この手の小説はページ数が不必要なまでに多すぎると思います。

女生徒と関係を持った元教師は退職後、塾の講師を勤めていた。彼は東京で失踪した教え子を探しに行き、事件に巻き込まれ…

というお話。
これぞ王道という小説なので、ハードボイルドが好きな人はどうぞ。

日本冒険小説協会大賞受賞作品

『暴力を許す唯一の培養基は、この自己の正当化という、だれでも買える、しかもいちばん安易に買える、日用品としてつくられるのだ。』



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