希望的読書感想文

【ひ】 3件

【光の帝国/恩田陸 (ひかりのていこく)】
★★★★★
常野物語の第一作。短編集となっております。白兎の個人的なランキングでは、五本指に入る秀作

「常野」から来たと云われる彼等には、各々に特殊な力があった。権力を持たず、一般の人の中で生きる彼等の、優しさと悲しみに溢れた歴史が今…

いわゆる、ローファンタジーってやつです。
一つ一つの話が、こんなにもいとおしい短編集も珍しい
怖いし、泣けるし、心が暖かくなる、世代を超えてでも是非読んで頂きたい話。

ファンタジー嫌いな人も、これを読んでから嫌いと言って欲しい一冊。
白兎は、表題作と、「オセロ・ゲーム」、「国道を降りて…」が好きです

『当たり前だよ。俺の耳は特別製だからね。パーティーの始まる音も、みんなのおしゃべりも全部聞こえてる』


【羊たちの沈黙/トマス・ハリス (ひつじたちのちんもく)】
★★★☆☆
サイコ・ホラーサスペンスの火付け役となった作品。白兎は修学旅行先の北海道で震えながら読みました

FBIの訓練生、スターリングは猟奇的殺人で収監されているレクター博士からバッファロー・ビル事件に関するヒントを得て犯人を特定していく…

というお話。
あのハンニバル博士が出てきますよ
白兎はちょっと和訳がイマイチだったかなと思います(スラングがそのままでてきたり、指示代名詞が多用されたり)。
でも、それを補う程の面白さは保証します

グロテスクな描写が多いので、お嫌いな方や、年齢的に不適切な方はお止め頂いた方がよろしいかと思います

『どうだね、クラリス、子羊の悲鳴は止んだかね?』


【美女と竹林/森見登美彦 (びじょとちくりん)】
★★★☆☆
初のエッセー(?)集。それはそれで面白いから驚きです。

森見氏の作家としての日常を綴りながらも、筆者が愛して止まない竹林の手入れをしたりしなかったり。最終的には、いかにして時間のない身で竹林を整備する(しかも他人の)かという話になり……

妄想ありの誇張ありで、まともなエッセーでないことは確かです。森見氏の作品が好きな方ではないと、この世界にはついて行けません。

という事で★3つ。森見登美彦好きなら損はしません。

『とりあえず俺は嫁を大事にする男だと、誰でもいいから伝えてくれ』



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