希望的読書感想文

【す】 2件

【スキップ/北村薫 (すきっぷ)】
★★★★☆
時と人の三部作、第一作目がこちら。白兎は三つともコンプリートしています

17歳の一ノ瀬真理子は、体育祭を終え、昼寝をしていたが、目覚めたら桜木真理子48歳、国語教師兼主婦、17歳の娘もいる未来の「わたし」になっていて…

というお話。
北村さんの書く女性は、強く、明るく、質実剛健な人が多く、この話も暗くなってしまいそうな危うい一線を上手く真理子は乗りきって行きます
決して冗談で済む様な話ではありませんが、読んだら何かを得られると思います。十代や、本を読み始めた人にお薦め

『甘えてはいけない。わたし一人ではない。誰もが、この哀しみを抱えて生きているのだ。失ったもの、与えられなかったものを思って、嘆くのはやめよう。』


【砂の女/安部公房 (すなのおんな)】
★★★★☆
白兎は安部公房も読むのです。難しかったですが、ちゃんと読みきりました

砂丘へ昆虫採集に出掛けた男が、砂に埋もれていく家に女と閉じ込められる。考え得る限りを試す男と、男を引き留める女、そして、脱出を阻む村人達…

心理描写が半端ではありません。共感、というよりも、強制的に同意させられる様な勢いです。デスノートがお遊びに見えますよ(笑)
しかも、その話が今から50年も昔に書かれたというんですから…
本好きを自称するなら、是非押さえておきたい一冊。

フランス最優秀外国文学賞受賞作

『罰がなければ、逃げるたのしみもない。』



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