希望的読書感想文

【こ】 3件

【コールドゲーム/荻原浩 (こーるどげーむ)】
★★★★★
星五つ。超、怖かったです。

高三の夏休み、中学校のクラスメートへの復讐劇は幕を開けた。犯行予告から、犯人は中学時代にいじめられていた男子が浮かび上がり…

恐ろしい、かつ、悲しくて虚しい話。歪みは歪みを生んで、回り回って返ってくる。それも、最悪の形で。
白兎は、最後の辺りは読むのが辛くて大変でした

衝撃的な真実と結末を、知りたい片はどうぞ。

やや暴力的なシーンがありますのでご注意下さい

『四年前、ついに一度も言えなかった言葉だ。こんなカンタンなひと言さえあれば、』

以下略、です(笑)
ひと言さえあれば……ねぇ?


【こころ/夏目漱石 (こころ)】
★★★★★
高校生になると読まなければならない一冊。白兎も夏休み初日に読みました

前半は学生である私から見て、魅力的だが影のある先生を描き、後半では学生への手紙という形式で、先生が友人を裏切って婚約者を得た事の独白を綴る。

と、別に白兎が内容を紹介しなくても、誰でも知っているとは思いますが、念のため
本当に駄目人間しか出てきません。特に先生は最悪の部類です(笑)
いや、ちゃんとした理由があるからこそ、最低に見えてしまうのかもしれません。
角田光代さんの駄目人間を数倍強くした感じです

明治時代に執筆され、なお現代人の共感を得るテーマへの着眼点と、文才は流石の一言。

純文学ですが、比較的親しみ易い部類に入ると思います。
中学生の内から国語を学びたい人や、高校時代にこの名作を逃してしまった人にお薦め。

『精神的に向上心のないものは馬鹿だ』


【凍える牙/乃南アサ (こごえるきば)】
★★★★☆
音道貴子刑事シリーズ最初の作品。新潮文庫の100冊に毎年選ばれています

深夜のファミレスで男がいきなり炎上。遺体には動物に咬まれた痕跡があり、機動捜査隊員の音道と、相棒の憎たらしい中年滝沢はお互いにいがみ合いながらも事件の核心へ…

というお話。
白兎の苦手な、地道な捜査が展開されますが、この凸凹コンビのやりとりがいつ好転するのか気になって、一気に読めました(笑)
なかなかお目にかかれない程の良質ミステリー。是非お薦めです

『それにしても、何という静かな、それでいて壮絶な死なのだろう。』



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