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□心中道中
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―――コンッ、コン。
  
「失礼します。」
「お呼びですか?ボンゴレ。」

眠たそうでありながらも僕の部屋に、僕の骸がやって来る……
そう、世界で僕だけが愛せる骸が………
  
「骸、夜の警備はやっぱり辛い?クマがひどいよ?」
  

ちょっと離れた場所からでも分かるほどに、骸の目の下にくっきりとクマが出来ていた。
「いえ、問題無いです。あと数日すれば、また交代出来ますから。」
骸はそういいながら僕に微笑む…
  
あぁ…骸のあの微笑む顔が、表情が他の人に向けられると考えるだけで、全てに嫉妬してしまう。
  
更に言ってしまえば、マフィアのボスになった事にさえ嫌気がさす…
  
  
骸との時間が減る…
  
骸とずっと繋がっていたい…
いつの間にか、気付けばとてつもなく嫌な表情をしてしまったのだろう・・・・
骸が凄く驚いた様子で僕を見ている…
  
  
  
そして僕は言ったんだ…
  
  
「ねぇ…骸?」
「もう疲れちゃったよ…」
「もし、僕が骸と今此所で心中したいって言ったら…どうする?」
  
  
  
―――骸が僕を抱き締めながら、自身を憎み、僕の言葉に絶望している。
骸が小さくそっという・・
「何が霧の守護者だッ!…誰一人…守れてない…愛しい人さえ、守れなかった…」
  
僕は骸をなだめる為に舌と舌を普段より搦める…
その部屋に水音がやけに響く。
   
最後に骸に、「俺に骸の笑顔、奪わせて?俺の笑顔を骸だけにあげるから。」
  
  
そう言ってまた、骸と深く深く、舌と唇を貪りながら腰につけた銃を
  
僕と骸を結ぶ様に…
  
僕と骸の心を撃ち抜く様に…
  
骸の背中に突き付けた引き金をそっと、強く押した…
  
  
  
  
骸と僕との血が混ざり合う………
  
  
今も来世も、これからずっと…僕たちは繋がって…
  
その道を歩いて行く…

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