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□長蛇の中
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それはそれは、年が明ける度に訪れる日本特有のイベント―――
  「そう、正がt「はいはい。列が詰まるから早く前行くよー」
………
「あぁ、ちょっと綱吉君待って下さい」―――
  

はぁ……
今日は珍しく綱吉君からお誘いを受けて、初詣にやってきたというのに…
  

やはり未だに疑問だ。
何故人々はこんな長蛇の列を作って、長い間待ってまで神社やお寺に初詣に来るのだろうと・・
まぁ、でも一部結論としては・・・
こんなに長い時間綱吉君と一緒に居れるというメリットはあるとわかりましたね。
  
そして、僕たちがその長蛇の列から抜け終えそうになる前――
「骸、手出して。」
  
そうすると、綱吉君が「もうすぐ賽銭の所になるから。はい、小銭。」
と五円玉を渡されたのを見てふと思った。
  
「綱吉君…これはご縁があります様にという風に受け取っていいんですか?」
  
「ほら、もう回ってきたよ。」
何をさっきから綱吉君は怒っているのでしょうか?……
  
  
参拝客の列から脱出し、神社から出れば神社に人が群がっているせいか、僕らの歩いてる道路に人の気は無い。
  
「綱吉君は参拝した時に何をお願
いしたのですか?」
  
「なっ…何でもいいじゃんか。」
  

「逆に、骸は何をお願いしたの?」

僕はきっと赤くなってしまったのだろう
綱吉君が恥ずかしい事じゃないよねと言っている。
「僕は…綱吉君と一生を過ごしたいです…」
  
「骸……」
  

静かな空気が流れる
僕たちの上には橙色の空
  
僕の唇に柔らかい感触が当たる

感触が離れて、大スキだよとそっと呟く綱吉君と手を繋ぎながら家路に着いた。

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