色の無い微笑み
□†一章 私の瑕(トガ)はどれ?†
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睡萌泉が植物状態になってしまったのは雲一つない晴天の日だった。
何が起こったのか、どうしてそんな事になってしまったのかは、風芽は覚えていない。
小さい頃だったから仕方ないと言う人もいる。
けれど風芽自身は自分で消してしまった考えている。
あの日、その一部だけ、ポッかりと記憶がないからだ。
思い出せるのはみんなが笑っている所。
そして次に続く記憶は皆が悲しい顔をしている所。
その事を風芽がは申し訳ないと感じていたし、早く思い出したいと思っていた。
しかし自分で消してしまう程の記憶に自分が堪えられるか分からない。
そんな思いが強かったのだろう。
病院に通い記憶療法とでも言うのだろうか、思い出す為に努力はしたが拒絶反応が強く、止められた。
あの日の事を知っているのは、その場にいたのは後二人。
睡萌泉の両親だった。
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