色の無い微笑み
□†一章 私の瑕(トガ)はどれ?†
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「いってきます。」
部屋のカーテンを一杯に開け、暖かな光を浴びながら軽く胸に手をあてて挨拶をする。
物心が着き初めた頃から眠っている親友睡萌泉(メイスイ)に、太陽と言う生き物に目覚めを促す光を分けてくれるよう祈るかのように。
それは朝起きて最初に風芽(フウカ)がしている事だった。
勿論、毎日光があるとは限らないず雨で何も見えない様な時もある。
それでも厚い雲の向こうにある太陽を思い浮かべながら風芽は様々な思いを乗せて言葉を紡ぐ。
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