色の無い微笑み
□†二章 存在という意味†
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皇はその後、数日学校を休みあっという間に『皇』の名を聞くことがなくなった。
つまりは話題は忘れられ生徒からまた忘れられた事を意味する。
風芽のみが少し覚えている状態だった。それでも何となく『皇』という人がいると認識する程度だった。
もしも睡萌泉の事がなければ風芽も皇の存在を忘れていただろう。
不思議なくらいその存在が忘れられてしまっていた。まるで何かの力が働いているのかと疑いたくなるほどに。
皇が学校へ登校しだした頃には以前と同じ様に、皆の目にはいない人のようになっていた。
いるのに、いない。