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□歯は大切に
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「痛い…」

「ハイハイ」

「ちょっと、人事みたいに言わないでよ」

「人事じゃん」

「っ…クソ〜、デンジの馬鹿〜」

「バッ……じゃあどうしろっつーんだよ」

「えー?…うーん、一緒に痛がってくれるとか…」

「意味わかんねぇ。どれ、見せてみ」

そういってデンジは私の両頬にそっと両手を置いて言った。
仕方ない、開けるか。

私は少し照れながらも口をあけた。


「…………どこ?」
「右下の一番奥…」


そういうとデンジはあ、あれかといいながらその歯に指を指した。あれ、なんか超危険な感じがするんだが…

そう思ってると右の奥歯に激痛が走った。

デンジが奥歯を触ったのだ。

その激痛にビックリしたので私は思いっきりデンジの指を噛んでしまった。

「いってぇぇぇぇぇ!馬鹿かお前!何すんだよ!」

「馬鹿はアンタでしょーがデンジ!!虫歯触るなんてありえない!!」

「それはつまり好奇心ってヤツだ」

「最悪だ!好奇心なんかで触るなんて最悪だ!」

「っていうか、めちゃくちゃ痛かったんですけど。」


そうデンジが言うと、背中に何か固いものがある感覚がした。…………床だ。

目の前には男前なデンジの顔…って私押し倒されてる!?

「スッゲー痛かったからお仕置きな」


そう言って、彼は楽しそうに微笑んだ。






歯は大切に



(じゃないとこんなことになっちゃいます)
 

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