成績が悪かったとかどうとかで一時は停止になった委員会だったが、山賊退治をした委員会は活動復活とかいう迷惑極まりない下級生だけの委員会対抗戦が始まった。

しかし対抗戦とは名ばかりで結局は皆で行動している様だし、個人的には委員会はやりたくないのだけど六年の僕がそれを言うと文次郎にどやされるので黙っておく。

そんなこんなで戦う会計委員会として下級生を陰から見守ってやろうと思っていたがどうやら一緒に来る人選を間違えたらしい。




「文次郎、頭ごなしに怒鳴るな」


参差の術に参加しなかった左吉を叱り付ける文次郎の声に耳を塞ぐ。
こいつは仙蔵の様にグサリとくるが一言で済ませられないのか。

可哀想に僕の後ろに隠れる左吉を見る。


「ここまでよくやった。偉いぞ左吉」

「お前がそう甘やかしてばかりいるから軟弱者になるのだ!」


ベソをかいている左吉の頭を撫でていると後ろから文次郎の怒鳴り声が聞こえる。
怒りの矛先は左吉から僕に向いたらしい。まぁそれが狙いなのだけど。


「甘やかして何が悪い。僕とお前で飴と鞭だ」

「何が飴と鞭だッ!圧倒的に飴の割合が高いだろ!」

「馬鹿言え鞭に決まってるだろ。水の中で寝るなどもう鍛練の域じゃねぇんだよ!」


ギャーギャーいがみあっていると仙蔵が左吉達を連れて後ろに下がった。
どうやら喧嘩を止める気はないらしい。

こちらも適当に流す気だったがなんだか苛々してきた。



「それに僕だって文次郎の指図は受けたくないから僕が左吉でお前がきり丸の立場なら参加しなかった!」

「テメェぶん殴るぞ!」

「それはこっちの台詞だ!」


「先輩方うるさいですよ」


お互い胸ぐらを掴み合ったところで僕の注意が一瞬声に向いた。その一瞬を逃さないのが文次郎で頬の辺りをぶん殴られる。
その反動で後ろに仰け反るが倒れる前に仙蔵が支えてくれた。


「何だ三郎」


殴られた頬を擦りながらその原因である名前を呼ぶ。
その後ろには苦笑いを浮かべている庄左ヱ門を初め他の学級委員がいた。


「さっきの手助けは反則です。会計委員会減点」


「「あ…」」


「アホ」


仙蔵厳選の一言はやはり心に刺さった。





オチは仙様っていう。
41巻ネタ。







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