ガンダム00
□DRRR00
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う、っうぐあ"ぁぁぁぁッ―――!!!
悲痛な叫び声…
コンクリートの壁で囲まれた四角形のシルバーグレイの部屋に、男の太い声が悲鳴が響き渡る
聞いていて決して良い物ではない
いや、逆に好んで聞くものが居るのだろうか?
人間の叫び、死に際の人間の声など―
聞きたくもない
いや、聞きたくない
友の叫びなど―っ
「聞こえない、でっ…」
私は、両手で耳を塞いだ
でも、四角い建物から嫌でも聞こえる彼の痛みが、悲痛の叫びが、耳を塞いごうが、何をしようが、身体中から流れ込んでくる
自分が拷問を味わっている訳でもないのに、彼の声が全身に恐怖を植え付けた
此処には居たくないのに、身体が岩の様に硬く、重く動かなかった
まるで全身から生気が抜けた様に、私はその場から離れる事が出来なかった…
今、この冷たいコンクリートの建物の中で制裁を受けているのは、紛れも無く昨日まで一緒に闘っていた戦友
私にとって大切な"仲間"だ
だって彼は―…組織を裏切った反逆者
今は"元"と言った方がいいかもしれないが、私にとっては大切な戦友であり、兄の様に慕った人だ
彼は、この組織を裏切った
唯一ある窓は鉄格子で遮られ、外の光が隙間から僅かに降り注いでいる
その中央に、ギシギシッと壊れそうな木椅子に、ロープで縛り付けられている無精髭を生やした男がだらし無く俯き座っている
先ほどの悲鳴の様な叫び声は紛れも無くそこの男の声だ
良く見ると手首からは血が滲み、ロープにも血がこびりついている
きっと何度も何度も足掻いたのだろう
他にも、首や胸板背中まで、まるで鞭打ったかのような跡が数え切れない程彼の背中に刻みこまれている
見ているだけで痛々しい…
俯き、私は彼から目を背けた
見てなんていられない…っ
「俺は、あいつを信じちゃいねぇ」
『っなんでっ?!私たちはサーシェスとずっと一緒に闘ってき「それは間違ってたんだっ!!」』
「俺達は確かにずっと、信じて闘ってきた…
…だが、それはっ…
全部…っ
全部っ俺達がやって来た事は、何も意味なんてない…っ
、親を殺すも、敵を殺すも、友を殺すも
…っあいつらの言葉に意味なんてなかったっ…
俺達を使ってただ無差別に人を殺させたんだっ…」
え…じゃあ、神が…親を殺せと伝えは…?
全部が作り話なら…
……刹那は?…刹那はどうなるの?
頭がついていけない私は、ただ呆然とその場に突っ立ったまま、彼の唐突な話を理解出来ずにいた…
「良く聞け梨裟…俺らの組織…サーシェスたちは、ただの人殺し、殺人集団だっ…」
「神だのと、居もしない象徴を掲げ、俺達は何度も他の組織と闘わせた…っ奴らはそれを見て…奴らは…笑ってたんだ…っ
俺達は馬鹿みたいに奴ら信じて、嘘に気付きもしないで、殺人人形として躍らされていただけだっ…
俺達の仲間は…っ
嵌められたんだっ…味方に、殺さたんだっ…!!」
『―っ!!?』
「俺達は騙されてた…っ」
そんな、そんな、そんな訳無いっ
だって、
『うっ…嘘だっ!だってサーシェスは、神は私たちを救うってっ…信じていれば幸福になれるって!!』
「梨裟っ―!!」
リンクは私の両肩を両手で揺さ振る
『だって…そんな、急に言われても、…っわかんないょっリンクっ!!』
私はリンクの胸に飛び込んだ、急に何もかもが消えていくようで、仲間も、居場所も、リンクも、壊れかけでもいいこの日常が、すべてが無くなりそうで怖いっ…
なんで、なんで、いつも私ばかり―…っ
神はお告げされた、お前は神の子と、なのにどうして神は私を助けない…っなぜ私ではなく奴ばかりが得をする
なぜ私ばかりが屈辱的な思いをしなくてはならない
ほしいほしいっ…
奴の力が、力が、…奴を取り囲むすべての物が…奴のすべてを
我が手に、必ず入れる