部屋に引き取ると、双子は顔を見合わせた。 「ダンテ、気づいたか」 「ああ。…あの子、何か隠してるな……言いたいけど言えない、って雰囲気だったが」 雨脚はますます強く窓を打つ。 まだ午後2時を回ったところだというのに、外は薄暗い。 何より、この家の古く分厚い窓ガラスが、日の光を弱めている。 「なあ、バージル…。俺の勘だが、あの湖には確かに悪魔が棲んでる」 「お前もそう思うか」 「大体、この家の中の雰囲気からして、妙な感じだろ。妖気か何かが、この家に入り込んでる」 「…決まりだな」 バージルは上着を手に、立ち上がった。 「教会の付属図書館へ行ってくる。ヘザー湖について、何か手がかりがあるはずだ」 「オーケィ。それじゃ、俺はあの子に付いてる。あの子の秘密も、できるだけ聞きだしてみよう」 「念のため、家の中にルシフェルの剣を配置しておけ」 「おう。気をつけてな」 「ふ、ん…俺を誰だと思ってる?」 「あはは、違いない」 双子であり仕事のパートナーでもある二人の呼吸は、ぴったりと合っている。 「じゃ、健闘を祈るぜ」 「お互いにな」 雨は激しさを増している。 木々の揺れる音が、やけにはっきりと届いてきた |