洋書

□悪夢
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部屋に引き取ると、双子は顔を見合わせた。

「ダンテ、気づいたか」
「ああ。…あの子、何か隠してるな……言いたいけど言えない、って雰囲気だったが」

雨脚はますます強く窓を打つ。
まだ午後2時を回ったところだというのに、外は薄暗い。
何より、この家の古く分厚い窓ガラスが、日の光を弱めている。

「なあ、バージル…。俺の勘だが、あの湖には確かに悪魔が棲んでる」
「お前もそう思うか」
「大体、この家の中の雰囲気からして、妙な感じだろ。妖気か何かが、この家に入り込んでる」
「…決まりだな」

バージルは上着を手に、立ち上がった。
「教会の付属図書館へ行ってくる。ヘザー湖について、何か手がかりがあるはずだ」
「オーケィ。それじゃ、俺はあの子に付いてる。あの子の秘密も、できるだけ聞きだしてみよう」
「念のため、家の中にルシフェルの剣を配置しておけ」
「おう。気をつけてな」
「ふ、ん…俺を誰だと思ってる?」
「あはは、違いない」
双子であり仕事のパートナーでもある二人の呼吸は、ぴったりと合っている。

「じゃ、健闘を祈るぜ」
「お互いにな」

雨は激しさを増している。
木々の揺れる音が、やけにはっきりと届いてきた




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