洋書

□La petit Fille
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浴室で手を洗い(もし洗わなければテーブルにすらつかせてもらえない)、事務所へ出ると、紅茶の芳香が鼻をくすぐった。

いそいそとキッチンへ向かおうとした足は、しかし、来客の気配に止まった。
「ったく…」
バージルの入れてくれたお茶、大事に取っておいたケーキ。
それを、大切な大切な兄と分け合える時間。
「全部、台無しじゃねーか…」
いい年して唇をとんがらせるダンテの目の前で、扉が静かに開いた。


「元気か、ダンテ。仕事を持ってきてやったぞ」
粋なテノールで挨拶するモリソンに、ダンテは渋い顔で応じる。
「TPOってものをわきまえろよな、モリソン…」
「は?」





end♪

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