洋書

□短編
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困ったような顔になったり、満足そうに訳の分からないことを言ったり。
慣れたとはいえ、未だに弟の性格は理解に苦しむ。

だから、バージルは聞きたいことだけを優先した。
「依頼がつまらないのか」
「まーな」
「便利屋を掲げるなら選り好みするな。たまには報酬の高い仕事もしろ」
メモの中から、気に入る内容で高額の依頼をいくつか抜き出す。ダンテがやらなくても自分がこなせばいいのだ。
「依頼に事欠かないだけ幸いだと思え」
ついでに悪魔絡みらしいのを取り分けておいてやるのは、無意識の優しさだ。
「ふうん、オフィスの悪魔祓い、ね。17万か…グレムリン程度でたいそうな額だな」
「精密機械には致命的、ということだろう。受けるか?」
「まあな。一番ましさ」
「データに損害を与えたら、賠償は9桁を超えるぞ」
「俺だって、屋外で戦う方法を考えてたさ!」
「ならばよし」
「実の弟を何だと思ってんだよ…」
「PCの並ぶオフィス内で銃を乱射し、あまつさえ大剣を振り回して悪魔を叩き切った挙げ句、室内を精密機器の残骸と砂まみれにして立ち去る男」
平然と言われて、ダンテは本気で落ち込む。
が、自分でも否定できないのが悲しいところだった。




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