「あー…生き返るぜ…」 事務所にいたほぼ全員が殺気立った目を向ける。 「貴様、どの面下げてここに…」 アラストルの全身に電撃が走る。 「なっ…なんだよ…」 たじろぐダンテを絶対零度の眼で見たバージルが一言。 「ナイトメア…吸え!」 「は?ナイトメアって…ええええええっ!?」 視界を真っ黒にふさがれ、いきなり魔力を盛大に吸われるダンテ。久々の魔力吸引に、ナイトメアは真っ赤な瞳をさらなる真紅に輝かせている。 「ナイトメア、3分の1はお前にやる。3分の2はネヴァンに渡せ」 こくんと小首を傾げたナイトメアは、魔力の球をネヴァンに差し出すと、小型のオブジェに戻る。その不気味な外見が、うっすらと光を放っているのは見間違えではあるまい。 「バ…バージル…」 ようやく傷の回復した体から魔力を吸引され、ダンテは再び瀕死状態。 「貴様が破壊した電線が回復するまで、発電はネヴァン、電力源はダンテ――貴様の魔力だ。」 「マジで!?ちょっ…毎日ナイトメアに吸われたら死ぬ!つか、夜のおたのし…げはっ!!」 「下らんことを抜かすということは、まだ吸えるな…」 「いや、待ってください、マジで死ぬ…」 「三大欲求ほど魔力を高めるものはないらしいぞ、兄」 「よし、ダンテ、今夜から禁欲生活だ。計画的に魔力を発散しろ」 「アラストルの裏切り者おぉ!てか俺そんな遊んでねーし!!いや、むしろ…ひでぶっ!!」 「黙れ、貴様はただでさえ余計な欲望が多すぎる!」 その後、土下座して懇願したダンテと、義理堅い一部の使い魔たちのとりなしによって、ダンテはその預金から事務所の修復費+借家の賃貸費を全額払うことで、バージルと和解。 ちなみに、正面の半壊した事務所は、懲役を課せられたベオウルフの働きのおかげで一週間で完全復旧。 大穴空けた預金を埋めるため、翌週から仕事に奔走するダンテの姿があったとか。 end |