書架

□深絶
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「子上…お前は…ッ!」

初めて見た。
彼が心の底から怒り、悲しみ、憎むのを。
その目に燃え上がる憤りは、突き刺すように己が罪を照らし、裁き、焼き尽くそうとしている。


――ああ、そんな目で見ないでくれ…!


それは、自らに罪有りと、自覚している証拠。
初めて、人を恐ろしいと思った。

「違う…私じゃない…」

私じゃない!

私は少なくとも、彼の死など望んではいなかった。
私は彼に触れたいと願っていたのに。
ようやく、その願いが叶いそうだったというのに。

ただ、そう訴えたかっただけなのに。

「私じゃない…私は……こんなこと、望んでいない…」

震える唇が訴えたのは、ただ、己が身に降りかかる累禍を払おうとする言い訳にも等しい、情けないほどありふれた言葉。
「信じてくれ、元伯…こんなこと…」
「もう止めろ!」
失望と怒りのあまり蒼白になった陳泰が、憮然と吐き捨てた。
「あなたが…そんな台詞を言うのか…!」
「元伯……私は……」
言いかけた言葉は、しかし、背後に迫る足音で遮られた。
あるいは、それは幸いだったのかもしれない。

訴えたところで、それが真の意味を伝えることなど、できなかっただろう。





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