写本・大戦

□天啓白馬
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「おい、あんた…!」
「何をうろたえておる」
「何を、って!」
鎧ごと腕を抉られて、まだ出撃するつもりか。
公孫瓚は平然と、血を吸った戎衣の切れ端を歯で締め上げ、止血している。
「腕を落とされたわけでなし、まだやれるわ」
興奮のせいか痛みは感じない。
退く気もない。
片口に刺さった矢を引き抜いて捨てた。
「叔朗」
「あぁ?」
「文台に伝えてこい。この攻城を防いだら出ると」
孫皎は何か言いかけたが、やめた。
血まみれの腕をぶら下げて冷静かつ不敵に笑うような男だ。
この期に及んで心配しても仕方ない。
「…伯父貴が惚れるわけだ」
公孫瓚は、にやりと笑うだけだった。











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