※ノクマニダンテ風味でご想像下さい 「ッギャアアアあああああああああっっっ!!!!!!!」 身も世もない悲鳴を上げて逃げ回るのは、悪魔も泣き出すデビルハンター。 そのデビルハンターをも泣かす最強の男。 「ダンテェェェイ……!」 バージル、最早ムンディスさえ軽くなぎ倒せると評判のマストダイモード。 紫のオーラに包まれた愛刀片手に、暗く据わった殺気120%の眼で睨まれたが最期、どんな悪魔だって号泣する。 高位の悪魔である魔具たちも、ひたすら息を殺し、氷のような嵐が通り過ぎるのを待つばかり。 と、そうこうするうちに、逃げ場を失ったダンテは事務所の奥に追い詰められた。隣の壁には、ここで返り討ちに遭った悪魔の標本。自分がそこに吊り下げられる様子が、まざまざと目に浮かんできた。 「ば、ば、ば、バージル……は、はな」 「貴様に人語を話して成立した会話などあるか……?」 「俺が悪かっ」 「馬鹿の一つ覚えが……」 「せ…めて…」 「言っても言わんでも同じだ……」 せめてもの言い訳すら許してくれない相手に、ダンテは己の首が一段と涼しくなった気がした。 バージルの大理石を刻んだように端正な面立ちは、本物の彫刻のように表情を全く動かさず、薄い唇だけが動く。 引きつった笑顔のまま顔の筋肉が硬直したダンテ。 (ヤバイ、俺、死ぬ…) テメンニグル、マレット、デュマーリ、そして魔界。 数々の修羅場を踏み潰してきたダンテだが、本当の修羅場がどこであろう己の居城とは。 「Rest in peace......!」 黒と紫のオーラに青い放電。 構えられた閻魔刀が唸り、黒い重力の球が刃の光を乗せて事務所の中に炸裂した。 |